ランクル遍歴1

私が学生の頃、兄からのお古カローラGPターボを乗っていました。昔の車特有のドッカンターボ。今の車に比べれば遅いですが、その当時は速くて、キビキビしていて、始めて免許を取った若者を魅了する車でした。当時、走り屋という文化があり、いかに速く峠を走れるか?みたいな。ことがはやっており、山を登ったり下ったり、無意味なことを繰り返していました。危ないし、お金ないし、運転テクニックは向上しないし、限界を感じやめてしまいました。当時バイクも乗っていたので、速い乗り物はバイク。車は遅くて十分という考えを構築しました。

とある時、友人が住んでいる学生寮に遊びに行ったら、何やら赤いというか朱色の四角い車が止まっていました。ライトは丸目。カドカドした四角形だがどことなく丸みを帯びた車です。リヤの角はガラスまで丸みを帯びており、今風に言うとチョーゼツ可愛いー。みたいな車でした。 

友人の後輩の車らしく、名前はランドクルーザー40とのこと。衝撃が走りました。形やバランスがちょーかっこいい。その日から頭の中は、ランクルだらけになってしまいました。ランクル馬鹿の誕生です。世は平成3年。当然ながらランクル40は終売しており、ランクルといえばランドクルーザー80。ランクル70系や40系ってなに?みたいな感じでした。ディーラーには情報がなく、インターネットもない時代でしたので本屋に行っては、ランクルの情報を集めていました。本屋は走り屋中心の情報雑誌ばっかりで。カーセンサーにてランクル40の中古車を眺めては、中古屋さんにいって現物を見るといいた日々を繰り返していました。その頃4×4マガジンの人気が高まり、その後の4輪駆動車+スキーが流行っていくわけです。バブル絶頂期ですね。背面タイヤにスキーを乗っけて苗場へGOみたいな車で高速は埋め尽くされていました。

ランクル40が欲しくて欲しくて、中古雑誌にて情報を集めまくったわけですが、ランクル40の最終が昭和59年で古いものは10年以上経過しており、錆び錆びの駆体ばかり。泥対策が成されていなかったのだろう。どろんこ走って、泥が付着。泥が常に湿り気により鉄板がさびるみたいな。

中古車を探し回っていて、30万ほどで良い駆体の赤のランクル41を近くの車屋で見つけました。ちょっと錆はあるものの、機関系がしっかりしていたし、まずまず綺麗なランクル。購入したいが学生であり金がない。一生懸命バイトしましたね。ゲーセンで働いたり、道路のライン引き。日本ライナーというところで、気難しい職人に怒られながら、歯を食いしばってバイトしました。今の世ならパワハラ。でも段々認められ、お役に立てるようになり、職人から信頼されるようになりました。このアルバイトは朝早く夜遅いからめちゃめちゃしんどかったですが、給料は良かったです。貯めまくって、なんとかランクル41を手に入れることができました。初めて手に入れたランクル41。とにかく嬉しくって、磨きまくった。ワックスかけて、サビをとったり、プチカスタムしたりと。ただね、カローラGPターボはフル装備だったので(フル装備:*当時パワステ、エアコン、パワーウィンドウ、オートロックの楽ちん装備はオプションだった) ランクル41はオモステ、エアコンなし、パワーウィンドウもロックもない。とにかく、ハンドルが重い。か弱い女性なら運転は無理かも。クーラーがないから夏場は地獄だった。ただしジープと違って暖房は効いたから寒い地方でしたので助かりましたが。あと、乗り心地が悪くまさにトラック。ラーメン腹一杯食ったらでてまうほどシェイキングがひどい。ショートホィールベースのリーフスプリングって、最悪です。もっと酷かったのが、ジムニーだったが。あとやかましく、80km以上だと会話ができない3.2リッター2Bエンジン。遅いし4速マニュアルおまけに音楽が聞けない。24v仕様なのでオーディオがつかないわけだ。しばらくはラジカセ積んで頑張りました。振動とと軋み音、エンジン音、ロードノイズで、音楽どころではないのだが。

しかしながら、ランクル40は大好きだった。形がたまらない。あと4速マニュアルと太いトルクのおかげでエンストは皆無だったし、ゆっくりのスピードではそれなりに快適に巡航できました。

当時ランクル大王という本を購入し、何回も何回も読みました。筆者がランクルが好きすぎて、その想いや改造を事細かく書いてある本です。

そんな大好きなランクル40。2年ほど乗っていたわけですが、タックス町田なるランクル40専門店の情報を聞きつけました。ランクル40乗りの聖地みたいなところです。ランクル40のレストア屋さんですね。ランクル40がお店をはみ出すほどおいてありました。当時は有名でしたよ。実家に帰るついでに寄っていったら、気の難しそうなおじさん(おそらく店主)につかまって、私は車をたやすく売らない主義だ!見たいなことをいわれて。こちらも買うつもりは全く無かったのですが。50万円の限定車黒のランクルをやたらと勧められました。売らない主義なのに売るの?みたいな感じで、なんだこのおじさんと思いましたが、このランクル限定車は、5速、クーラーあり、パワステ、タコメーター付きのゴ-ジャスバージョンでした。錆が多く程度が余り良くない、レストベースの車でしたが、とにかくおじさんの強い押しに圧倒され、とうとう購入することに。下取りも高くしてもらったし。まぁ専門店から買うのも良いかもと当時若かった私は購入することを決意。バイトもしていたし結構お金はたまっていたし。親のお金で学校行かせてもらっているのに、なんて罰当たりな息子だとは、一ミリも思わず、今想うとアホな息子でした。

この限定ランクル41Vは、快適でまえの41とは雲泥の差。クーラは効き過ぎるほど、パワステは素晴らしく軽く、きしみ音対策が施されており静かになったし。快適に乗ることができました。でもさびだらけで汚い。磨くことができない車なんです。磨くことが大好きな私は、どこか愛情に薄れる車でした。この限定ランクルも2年ほどのって、さすがに社会人になってぼろぼろのランクルってどうなのか?と思い、ランクル74vに乗り換えました。

 

今想うと、当初のランクル41を持っていれば、程度もいいので相当なプレミアがついたのにと後悔する日々です。

ここから、とにかくめまぐるしくランクルを乗り換えています。わらしべ長者のように、さほどお金をかけずランクルに乗り続ける人生となります。

次回ランクル74vを語ります。